私が「Web制作会社キューブ」を創立したのは2005年。
その前、私はシステム開発会社で勤めていました。
プログラミング、システムテスト、要件定義、仕様書作成
システムデータ作成、システム講習会
そしてWeb制作を経験させてもらいました。
キューブを設立した当時
Web制作よりも。システム構築の案件の方が多かった時期がありました。
私たちは、PHPで仕組みを作り、そしてデザインも作り出しました。
中側の仕組みも、外側の見た目も、どっちも作れる私たちは
「ほかの制作会社には全然負けてない」という強い自負があって
『あんまり調子乗った発言したらアカンよ』という会話があるほど
自分たちの能力と技術に自信を持っていました。
『技術を高める』『良いものをつくる』
これが、会社の存在意義だ!と思っていました。
しかし、お客さんと多くお話ししていくと日に日に増す感覚として
「お客さんは技術を求めてない」ということでした。
私は今でこそ、技術もしない営業もしない「経営」をさせていただいてるけど
その中、思うことは
「目的が達成できるなら、それでいい」という考えが多くなったことです。
きっと、私が「作ることが素晴らしい!!」と
みんなを引き連れ自惚れていたころには
想像が付かなかったことだったように思います。
「技術を知らない上司」を、私はバカにしたことがあります。
「技術ができない同僚」のことも、見下してたかもしれません。
「手に職」と言いますが、技術を身に付けてしまうと
技術を持っていない上司に、気にくわない態度気にくわない発言をされると
『おまえは、技術もできないくせに』と思うのは、間違いなく私もありました。
お客さんと話すと、お客さんは
「問い合わせが欲しい」
「資料請求が欲しい」
「予約が欲しい」
「販売したい」
こんなご要望がほとんどです。
そして、なぜそういう風に考え出したのかと、経緯を聞いていると
会社を始めた想いから、従業員に対する想いから、お客さまへ対する想い
自分自身の現状と葛藤とで、涙ながらに話してくれるお客様もいます。
この方に、仕組みの話・技術の話は、到底「必要が無い」
「こういう技術でこういう仕組みで、こうやって作るんです」なんて
絶対に必要のない説明です。
「目的を達成させるために
このようにユーザーに使ってもらえるWebサイトを作りましょう」
と企画提案します。
さらに必要な時には
「スタッフが更新するならば、このような機能を付けましょう」
と提案します。
それ以上の、細かな技術の話は、本当に求められていない。
如何に経営視点を持てて、お客様の話を心から共感して傾聴できるか
そして、論理的に目的を満たす筋道を立てたWebサイトを企画できるか。
それがイチバンの要点です。
しかし、提案営業のプロになると、技術側の偉そうな発言は
「顧客の想いや気持ちもわかってないのに、勝手なこと言うなぁ」
「じゃあ、君が営業してみたらどうかね?」
と思ってしまうんです。
私たちキューブの「商品」は
お客さまの話を傾聴する「ヒヤリング」
お客さまの事業にWebでどう貢献できるかの「企画」
そしてそれをきちんとお伝えする「提案力」
これも、最も大事な「商品」です。
そこから、デザイナーがデザインし、コーダーがカタチにします。
デザインにも、経営視点が必要です。そして、デザイン力も絶対必要です。
経営が全く分からない単なる「クリエイター」ならば
自分の好きなデザインをちょちょっと搭載して自己満足です。
ディレクターにも歯向かい、お客さんまでも納得するように作ってくれません。
そして、コーディングも
形あるデザインを単にHTMLにしました。みたいな
心無いコーダーよりも
より楽しく、より美しく、使いやすく
さらに求められてることはより検索エンジンに強く
つくるかどうかです。
営業担当のお客様とのコミュニケーション対応、信頼作りは
ちょっとやそこらで身に付く能力ではありません。
デザイナーの経営視点を持った、魅力的なデザインも
かなりの時間と経験を費やします。
コーダーだってそうです。
みんな「好きだからできる」そんな気質の仕事ではないかと思うし
それぞれが専門的で、独創的な分野だと思います。
それぞれに没頭する分野があり、自信を持ってる能力があります。
お互いが、お互いの仕事内容を理解してないと
尊重する気持ちも減っていくように思います。
全部の仕事が大事です。
『人を変えたければ、まずは自分が変わる』
会社全体で、お互いの仕事を知り、尊重し合いたい。
私たちの目的は、
お客様が満足する、お客様の事業に貢献できるWebサイトを企画提案制作
することです。
それ以外には無いのですから、同じ目標に向かって頑張りたい。